微熱未満の恋

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「あのなあ、柴田。俺は誰かに縛られるのは嫌いなんだ。その点理解しろよ」 「諦めませんよ、オレは」  ああ、このクソガキは――。 「先生がどこにいようとも、先生が誰と遊んでいようとも、オレは絶対に諦めない……っ」  雄の目をしている。  この俺が興奮しているのか。  ゾクゾクとした刺激が俺の背筋にほとばしった。 「……可愛いなあ、柴田」 「可愛くないっス」 「可愛いよ……お前は可愛い……お前に触れられないのが正直もどかしい」 「先生?」 「悔しいが、どうも俺はお前に惚れてしまったらしい……」 「……嬉しいです」 「柴田、三年間我慢できるか?」 「いまさらですよ、先生」  柴田は膝をつき、丸椅子に座る俺と同じ目線になった。 「俺が先生のことを好きな気持ちが誰よりも熱いってことは、他ならぬ先生自身が知ってるじゃないですか」 「……それもそうだな」  柴田の頬が赤みを帯びているのは熱のせいじゃないってことも、体温計を使うこともなく見て取れた。
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