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「よおミラミラ。元気だったか」
「もっちろん!」
ミラミラと呼ばれた靄は段々と形作られ、一反木綿を可愛くしたような見た目になった。
顔の下、人間で言うと恐らく腹にあたる部分には穴が開いているのだが、そこからミラミラの背後の景色を見ることはできなかった。
「アンタがミラミラ?」
目の前で起こっている事を処理し切れないまま、カガミは怪訝そうな顔でミラミラを見た。
「そうだよ、僕がミラミラ。君はカガミちゃんだね」
「どうして私の名前を知ってんのよ」
慣れない環境に戸惑いつつも、カガミは普段の調子を取り戻してきたようだ。
「それは追々話すよ。というかカガミちゃんが今不思議に思っている事は今後全部説明するから、取り敢えず疑問は飲み込んでおいてくれるかな?」
「......わかったわ」
不満だだ漏れの表情で渋々了承したカガミは、未だにミラミラを睨みつけている。
「んな怖え顔すんなって。俺たちはこれから仲間なんだからよ」
「アンタさっきから仲間仲間って言うけど、本当は肝心なとこなーんにもわかってないんじゃないの?」
ドヤッという擬音が聞こえてくるほど得意げな顔をしたキョウは、痛いところをつかれたのかギクッという顔に変わった。
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