580人が本棚に入れています
本棚に追加
「仁岡、全然ビビらないね。
うさぎがしゃべるとか信じられるの?」
「信じるも信じないも、今、目の前でしゃべってるじゃないか」
きっとなにか科学的な理由があるに違いない、と仁岡は言い出す。
「それ、霊がとり憑ついてるって結論より、現実的じゃない気がするけど」
なつのはマイクも電池もないのを確かめるように、うさぎをもふもふしてみた。
「貸してみろ」
仁岡はなつのの手からクッションをとり上げると、中になにかないのか確かめるように、ぼふっとクッションの真ん中あたりを殴ってみていた。
ぐはっ、とうさぎがうめき声を上げる。
「に、仁岡っ、うさぎ死んじゃうよっ」
「クッションなのに死ぬのか。
じゃあ、やめとくか」
あっさりだな……となつのが思ったとき、
「仁岡―!」
となつのの後ろから声がした。
最初のコメントを投稿しよう!