仁岡が現れた!

4/5
前へ
/227ページ
次へ
「仁岡、全然ビビらないね。  うさぎがしゃべるとか信じられるの?」 「信じるも信じないも、今、目の前でしゃべってるじゃないか」  きっとなにか科学的な理由があるに違いない、と仁岡は言い出す。 「それ、霊がとり憑ついてるって結論より、現実的じゃない気がするけど」  なつのはマイクも電池もないのを確かめるように、うさぎをもふもふしてみた。 「貸してみろ」  仁岡はなつのの手からクッションをとり上げると、中になにかないのか確かめるように、ぼふっとクッションの真ん中あたりを殴ってみていた。  ぐはっ、とうさぎがうめき声を上げる。 「に、仁岡っ、うさぎ死んじゃうよっ」 「クッションなのに死ぬのか。  じゃあ、やめとくか」  あっさりだな……となつのが思ったとき、 「仁岡―!」 となつのの後ろから声がした。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

580人が本棚に入れています
本棚に追加