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春休みの初めの日、小学校を卒業したばかりの柊木なつのは悩んでいた。
これは小学校の春休みなのか。
それとも、中学校の春休みなのか。
昨日、小学校を卒業してしまったからだ。
なつのはベッドにかざってあるうさぎのクッションにむかい、なんとなく、きいてみる。
「今って、小学校の春休みかな? それとも、中学校の春休かな?」
「そんなくだらぬことを考えている時点で、小学生なのではないか?」
あるとも思っていなかった返事になつのは驚く。
「誰っ? 今しゃべったのっ」
突然、すぐ近くから聞こえてきたイケメン声に、なつのは慌てて周りを見回した。
「お前が私に話しかけてきたのだろう。柊木なつの」
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