さようなら、うさぎさん

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「まあ、結局、僕が卒業生と在校生の知り合いに声かけて、やったんだけどね」  なつのは、 「そうだったんですか。  ありがとうございます」 と頭を下げたあとで、美しい花々を見上げて言う。 「中学に通うの、期待半分、不安半分だったんですけど。  毎朝、学校へ通う道が綺麗だと元気が出る気がします」  これから中学に入ったらいろんなことがあるだろうけど。  でも、毎朝、この花を見て。  うさぎになっても、花の植えかえをしようと頑張っていた桐生先生のことを思い出すと、ちょっとがんばれる気がする。  そう、なつのは思いながら、みんなと風に揺れる桜色の花を眺めていた。  
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