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時間もあまりないが、手短に作戦会議を開くことにした。弥平も途中参加である。
『澄男様。御玲とカエルたち、そして久三男様など各々からの報告を受け、既に捜査を始めています』
『敵の親玉は見つかったか?』
『申し訳ありません……久三男様と連携して事に当たっているのですが、どうも相手の潜伏能力の方が上回っているようです』
『マジでか!? 妖精王襲撃事件を収めた謎の巫女といい、最近冗談抜きで厄介なのがちらほら出てきてるな……もしかしたら操ってる奴がいない、って線もありうるか?』
『いや、それはないと思うよ。兄さん』
精神世界で眼鏡の位置を中指で調整する久三男。なにカッコつけてんのかなコイツ、などと思っていたら、俺たちの目の前に大量の白い人間みたいな集団がギッチギチになっている映像が映し出される。
人工霊子衛星で捉えた、武市上空の航空写真だ。
『軍勢はものすごく秩序だって行動してる。まるで優秀な指揮官に統率されてるみたいに、動きに無駄がない。もし指揮官のいないただの集団なら、住民を襲っててもおかしくないはずだよ』
『俺らのときは問答無用だったのに……』
『敵総軍およそ二万。軍勢は住民たちを無視し、澄男様たちがいる支部を目指しています。他の支部に向かっている軍勢も同様です』
ギッチギチになりながらも、整然としている無数のロボット軍団を恨めしく見つめる。
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