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感想は、とにかく質素。この一言に尽きた。
とにかく家具という家具がほとんどない。ただの鉄で作られた何の変哲のないロッカーが部屋の隅っこに一つ、部屋の中央にガラステーブルとソファが二つ。そして執務机らしきものが窓際にぽつんと置いてあるだけだ。
ガラステーブルには物が何もなく、執務机には数本の試験管が入った試験管立てと顕微鏡みたいなもの、その顕微鏡みたいなものの台座に乗っかっている石ころという理科の実験室にしかないようなものが置いてあるのみ。正直、常日頃から使っているようには思えない感じの部屋だった。
でも埃とか汚れとかはほとんどなく、窓も曇っている感じじゃない。不思議と掃除は行き届いている。
使う頻度は少ないようだが、まったく部屋に立ち入っていないわけじゃないらしい。おそらく簡単な荷物や替えの服を置いておくくらいには、活用しているのだろう。
「あいかわらずなんもねーへや」
「悪かったな。基本外に出張ってっから荷物置き場としてしか使うアテがねぇのよ。とりあえず……何も出せるもんもありゃあしねぇが、テキトーに座ってくれや」
俺の隣は御玲、俺の周りにカエルたち筆頭に澄男連合軍。俺たちの向かい側に金髪野郎、その隣にブルー・ペグランタンことポンチョ女が座る。
確かに飲み物とかポットとか、人をもてなすためのものがどこにもない。ホントはジュースの一本くらいほしいが、もう既に会議を始める雰囲気が早速漂い始めている。
ここでジュースが欲しいっていうのはなんかガキくさくて恥ずかしいので、不本意ながらも我慢することにした。
「でだ。もう一回聞くけどそんな作戦会議開くほどのことか……? 確かに支部の連中にとっては勝てない相手かもしんねぇけど俺らからしたら雑魚なわけだし……」
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