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早速率直に思っていたことを口走る。
あのロボットの全能度は五百後半。金髪野郎がワンパンで潰せたように、ここにいるメンツなら誰でもやれる。
少なくとも俺なら火の球撃つだけで消し飛ばせる自信があるし、効かなくても俺と金髪野郎の物理攻撃力は近しい。殴るだけで金髪野郎と同じ芸当ができる自信はある。
なんなら俺以外のメンツでも肉体能力的に同じことはできるだろうし、そこまで深刻に捉える意味がよく分からない。また違う機体が出てきたら、そのときに始末する。ただそれだけでいい気がする。
「だめだ。さっきも言っただろ」
金髪野郎は左右に首を振る。眠そうな顔をする俺に対し、腕を組んで目線を合わせてくる。
「テロの可能性もある。第一、俺ら以外も似たような奴に襲われてるんだ。どう考えても人為的に人間を襲ってるって考えるのが普通だろ」
「魔生物みたいに勝手に湧いて出てきた説は?」
「ロボットだぞ? いきもんじゃねーし、ただのてつのかたまりなんだからだれかがそーじゅーしてねーとおかしーだろ」
「操縦ねぇ……」
御玲に視線を向けるが、目線も合わせてもらえないまま肩をすくめられる。
今回のロボットと同じような奴として、血の繋がった愚弟―――流川久三男が作った戦闘用アンドロイド、カオティック・ヴァズが思い浮かぶ。
アイツは明確に自律行動していた。久三男の命令に従うっていう名目こそあるが、それでも自分の意志的なものを感じる。
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