2人が本棚に入れています
本棚に追加
どうやらグループ通話のやり方も同じらしい。いわゆる精神世界にみんなが集まって話し合う部屋みたいなのを誰か一人が作って、その中にみんなが入る。そんなイメージである。
「問題は相手さんが応答してくれるかどうか……」
無地の精神世界に現れた上座に、応答中と書かれたダイアログが表示される。
請負証を使うと、名前を検索するだけで基本的には誰とでも話すことができる。
相手から嫌われていてブロックされていたり、相手が「検索避け設定」にしていてそもそも検索に引っかからなかったり、特定の相手以外着信拒否設定にしている場合は無理らしいが、金髪野郎が言うには「マトモな」監督役だったら、誰とでも通話できる設定にしているはずとのこと。
そうじゃなきゃ情報共有できないし、通話できるだけのシステムがあるのにわざわざ現地に会いに行くとかクソ面倒も甚だしい話だし、当然っちゃ当然だ。
「さぁて……出てくれよ」
祈るように呟く金髪野郎だったが次の瞬間、応答中と書かれたダイアログが消える。俺と金髪野郎の間にワープしてくるように、青白い粒子が一か所に集まるや否や、一人の少女が上座に描かれた。
「へーい、こちら南支部新人監督役兼総括トト・タートっすー。ご用件とお名前をどーぞ」
派手なせいかやたら目立つ黄緑色の猫耳パーカーを羽織り、にべたいジト目で周囲を見渡す女の子。
夏だってのにパーカー着てて暑くねぇのかなと思いつつも、トト・タートと思わしきその女の子は、目線だけ金髪野郎の方へと向けた。
「北支部新人監督役、レク・ホーランだ。今日突然現れた戦闘用ロボットについて情報共有がしたくて連絡した」
最初のコメントを投稿しよう!