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そんな端的な対応でいいのか、と思ったが、相手の顔からジト目が若干薄れ少し眼差しが強くなったのを、俺は見逃さない。
「あーはん、私んトコも襲われましてねー。被害続出っすよー。一体なんなんすかね、もう治療迫ってくる奴多くて、忙しーのなんの。首謀者に迷惑料請求してーっての」
「俺んトコも結構な被害が出た。こっちの支部連中じゃ太刀打ちできそうにねぇ。お前はやりあったのか?」
「一応。よゆーで勝てたっすけど、確かに私らの支部連中でも勝てる奴はいなさそーっす。みんな年季入ったオッサンなんすけどねー、オッサンパワーすら超えてくスタイル。どーしよ」
明らかに困っている風には見えない口調と態度だが、視線は金髪野郎から片時も離れていない。どうやら、情報が欲しいのは同じらしい。
「俺もカチあって、一応勝った。サンプルを持ち帰って本部に提出したが、多分本部の分析は待ってられない気がする」
「その心は?」
「短期間で俺んトコとお前んトコに被害が出てる。この分だと、他の支部も同じだろう。今は魔生物のスタンピートが起こってるが相手はロボット。何者かがテロを起こそうとしてると考えるのが自然だ」
「あーはん、妥当っすね。じゃー問題は、誰が操ってんのか。すか」
「それが分かれば苦労しねぇんだがな……お前んトコでなんか分かってることとかあるか?」
「今調べてるとこっすねー、でも相手はかなり猛者っす。中々尻尾だしやがらねー」
行動が速い。俺は素直にそう思った。むしろ楽観的に捉えていた俺の方がノロマだったのではと思ってしまう。
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