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正直あのロボット程度なら物量でこない限りどうとでもなるという思いがあり、あまり危機感感じていなかったってのがあるが、そんなものは言い訳か。
「こっちも探知に長けた奴がいる。分かったことがあったら連絡するが、構わねぇよな?」
「おなしゃすー! むしろどしどし! 流石に汗だらけのオッサンたちの治療には辟易してたところなんでー……」
手とか汗ぐっしょり、と両手をくぱくぱさせる。ベテラン同士、年季が入った請負人の会話に全く割り込めず聞き耳を立てるしかなかった俺らだったが、ようやくトト・タートの視線が俺に向く。
その視線は俺を品定めしているような、ねっとりとしたものだ。にべたいジト目が尚更品定めされている感を駆り立てる。相手は俺より年下のはずなのに、本能的に身構えてしまった。
「お前、つえーっすね。でも見ねー顔。新人?」
「あ? あー、ああ。まあ」
「名前は?」
「澄男。横にいるのが御玲。そこらへんにいるぬいぐるみみたいなのは使い魔兼仲間」
「あーはん。トト・タートっす。よろしく。この分なら戦力割かなくても良さそうっすね」
にべたいジト目で俺を品定めしていたところから一転。何か確信したような表情で、次は俺ら全員を見渡した。
あんまりにも試されている感が半端なくて癪なので、俺も負けじと抵抗してみる。
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