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なんで北支部以外とは協力したくないのか、イマイチ事情が分からないが、これは俺らにとっても好都合。流石に他の支部もしゃしゃり出てくるとなると規模がデカくて尚更動きづらくなる。正直仲良くない、顔も名前も知らない奴らと連携取れる自信はないし、そもそもそんなかったるいことは気が進まない。
俺は今いる仲間が一番大切だし、信用できるのだ。
「噂は聞いてるぜ。じゃあなんか分かったら連絡するから、そっちも報連相頼むぜ?」
金髪野郎は苦笑いを浮かべ、猫耳パーカーに手を振る。へーい、とこれまたテキトーな返事をして、トト・タートという名の猫耳パーカー少女は精神世界から去っていった。同時に俺たちも現実世界へと意識が帰還する。
オフィスの壁にかかっている時計を見ると、数十分は経過していた。こういうときって精神と時のなんちゃらみたいな感じでリアルの時間と大差があってしかるべきだと思うんだが、現実はそう甘くはないようだ。
「まあ今さっきだし、分かることなんてそんなにねぇか……協力がとりつけられただけでも良しとしよう」
結論、特に得られるものはなかった。強いて得られたものを列挙するならば、南支部と場合によっては協力プレイができること、ほかの支部も俺らがいる北支部同様、謎のロボットに襲われて被害が出ていることのみである。
ダラけるように椅子に深く腰掛ける金髪野郎を尻目に、御玲や澄連と霊子通信を密かに繋げる。意識を共有する先は久三男だ。
『つーわけだ久三男。調べろ』
『もうやった。でも結構やばいよこれ。戦力比からして、支部の人たちだけじゃ無理じゃないかな』
『あん? どういうこった?』
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