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久三男にしては珍しく、焦りの念が霊子通信の回路を経て伝わってきた。何かヤバいことだろうと、直感が囀る。
久三男が言うには、数千体を超えるアンドロイド型の何かがついさっき突然現れ、俺らのいる武市郊外へ進軍し始めたらしい。
俺らからしたら大したことのない鉄クズ集団だが、支部の連中と交戦になった場合、突出して強い奴でもない限りは負け確の戦力差があるのだと。まだ郊外まで距離はあるが、後一時間も経たないうちに住民の被害が出てきてもおかしくない状態で、一言で言うと結構ヤバい状態だ。
『展開が早すぎません? 本当に突然だったのですか?』
『いくら昼間寝てるとはいえ、監視体制は万全さ。実際、何か異変があったときに鳴るように設定しておいた超特大音量のアラームで今さっき起きたところだし』
『オペレーターとして昼まで寝てるのはどうかと思いますが、ついさっきということは召喚か何かでしょうか。それしか考えられない気がしますが……』
言い淀んでいる御玲の念が脳に浸透する。でも気持ちはわからなくもない。まずロボットを召喚するって何ぞや、って話だ。
たとえばこれが悪魔召喚だとか、なんかよくわからんモンスターを召喚するとか、そんなんなら魔法とか魔術的な何かでできないこともないだろうし、感覚的に分からないこともない。
でも、召喚されているのはロボットだ。
ロボットってそもそも魔法とか魔術的なもので召喚できるものなのだろうか。そこらへんド素人な俺には皆目分からん話なのだが、久三男の話を自分の理解力の範囲内で想像するなら、誰かがロボットを大量召喚しているとしか思えない。
『召喚的な何かというか、召喚そのものだと思うけど』
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