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反論しようとするも、完璧なうんちくの前に口が塞がれる。
久三男の言っていることは仮説にすぎないが、他に覆せる考えもない。正解だと決めつけるのは悪手だけど、そんなのは調べれば分かることだ。そこまで予想できるなら、俺がやることは一つだけ。
『ならお前はそのロボットどもを引き続き調べろ。お前の言う仮説が正しければ、そのときに報告してくれ』
『分かった。兄さんたちは敵の撃破?』
『だろうな。おそらく敵をブチ殺す主戦力として駆り出される。そんな気がする』
『兄さんはディフェンスよりアタッカーってタイプだもんね』
『まあな。守るのは仲間で十分だし』
そうだね、と言い残し、久三男が霊子通信を切る。
『弥平を呼び戻した方がいいか』
『でしょうね。間違いなく大事になりそうですし』
予定外に事が大きくなりそうな予感がして、まだ精神世界に残っている御玲に意識を向けたが、どうやら御玲も考えは同じらしい。
情報を擦り合わせたいから作戦会議を開きたいところだが、久三男の話だとロボットの大軍がもう進撃を始めている。呑気に話している時間はないし、俺らが家に帰る余裕もなさそうだ。というかこの状況で家に帰るとか言い出したら確実に怪しまれる。
『チッ……後手に回ってやがるな……つか相手の展開早すぎんだろ……』
『どうやってロボットの大軍を召喚し操っているのか知りませんが、久三男さまをして予兆すら感じさせず軍事行動をとれるところが不気味です。早めに対処しないと』
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