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『お前は弥平を呼び戻せ。経緯の説明とかはお前に任すから、俺はとりあえずコイツらと一緒に行動してみる』
精神世界で一礼する御玲。御玲が霊子通信を切った後、意識を現実に引き戻す。
今は巫市の内偵をさせている、もう一人の側近兼仲間―――流川弥平。アイツは隠密という役柄上、請負人としての顔も持ち合わせている。仕事増やすことになってしまってものすごく忍びない気分だが、今は緊急事態だ。奴にも協力してもらおう。
俺らが霊子通信で密かに話している間、金髪野郎たちは百足野郎を交えてどう敵を迎撃するかを話し合っていた。
労働者になって約数日。そんなに日が経ってないうちから強敵との遭遇とか、ホント俺ってついてない。どうしてこうなるのやら。
金髪野郎はしばらく百足野郎とポンチョ女と話し込んでいたが、話が纏まったのか、俺たちへ突然視線を戻す。
俺は急いで霊子通信を切るようにみんなに伝え、俺も颯爽とログアウトする。霊子通信中は意識が精神世界に飛んでいるので、この間に話しかけられると相槌すら打てない。怪しまれるのは極力避けなければ。
「ロボットの親玉を討伐する。迎撃は勿論俺らだ」
予想通りの答えなので眉一つ動かない。
金髪野郎は任務請負証を通して俺らの力を粗方把握している。もしも俺らがさっき戦ったロボットが久三男の言う下位機種だとしたら、他の連中だと太刀打ちできない。
支部の防衛は支部の連中に任せて、下位機種を操っている上位機種をぶっ壊す役を俺らが買って出るのが筋ではあるのだが―――。
「防衛つっても攻められたら太刀打ちできねぇんだろ? どうやって支部を守るんだ」
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