緊急作戦会議

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 そう、これは筋が通った作戦のように見えて穴がある。仮に支部を攻められたとして、支部の連中の力じゃ下位機種にすら勝ち目がないってところだ。  一体も倒せないのに、軍団で押し寄せられたらなすすべなく蹂躙される未来しかない。ロボットとまともに戦えるのが俺らと金髪野郎たちしかいない以上、どうやって支部を守るつもりなのか。 「だから迎撃つったろ。支部を守りながら、敵を迎え撃つ。犠牲を最小限に抑えるにはそれしかない」  ポンチョ女もうんうん、と頷いている。だが俺は眉を強く顰めた。 「相手は数千体の軍勢だぞ。俺らしかまともに戦える奴がいない以上、犠牲を最小限に抑えるとか無理だ……痛っ!?」  突然御玲(みれい)に足を踏んづけられ思わず睨んでしまうが、御玲(みれい)のジト目の見て、俺が何をしでかしてしまったのかを悟る。案の定、金髪野郎たちは訝しげな表情を浮かべていた。 「……数千の軍勢だと? お前それ、どこ情報だ?」 「なんでひよっこのてめーが、そんなことわかんだよ。あーしらをからかってんのか?」  そりゃそうだよね。だって数千体の軍勢がいるって情報は、さっき俺が久三男(くみお)から仕入れた情報だもん。コイツらが知るワケないワケで。  知らない情報をさも知っていて当然みたいな感じで話したら、怪しまれるのは考えるまでもない。しまった。面倒なことになったぞ。 「いやー……まあ、アレだ。そんな気がする。みたいな?」  とりあえずそれっぽいことを言って誤魔化すしかない。凄まじく無理矢理感があるが、超直感で危機を感じ取ったってことで納得してもらおう。 「はぁ? 要は勘だとでもいいてぇのか?」
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