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「そう!! 勘!! 勘なんだよ!!」
「はなしになんねー……」
だが、二人の表情は硬い。むしろさっきより険しくなった。ポンチョ女の目が、まるで路頭に捨てられている腐った生ゴミでも見下すような目になっていて居た堪れない。
いや、言いたいことは分かる。俺だって流石に無理があると思った。正直超直感って何だよって、自分で思ってしまったくらいだ。
自分のアホさをただただ再認識させられただけという結果に終わったが、これはこれで納得してもらうしかない。俺らの素性を知られるワケにはいかないのだ。
隣で呆れたようにため息をつく御玲を尻目に、二人の顔色を伺う。金髪野郎は頭を掻きむしった。
「とりあえず攻めてきたら支部で迎え撃つ。支部にはバリケードを作って簡単に攻められないようにして守りの主軸は我らがむーさんに担ってもらう」
「むーちゃんのでけーからだなら、あのてーどのろぼっとぐれーいっしゅんでけちらせっからな。なんたいこよーがかんけーねー」
「頼もしい限りだぜ」
二人がいい感じに話がまとまりかけている。俺はそれを見逃さない。今が狙い目だ。これを逃せば、後はない。漢を見せろ。
「じゃあ支部の守りは任せるから、俺らは俺らで敵をぶっ壊しに」
「は? ダメに決まってんだろ」
漢を見せた瞬間にこの始末。なんで、と思わず低めの声音が漏れる。さっきまで笑っていた金髪野郎の顔が、一瞬で険しくなった。
「お前らは新参なんだから、支部規模の戦闘になる場合は、俺の指揮下に入ってもらう。勝手な行動は許されねぇ」
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