緊急作戦会議

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「おい新人。いま周りにいたぬいぐるみが突然どっかいったけど、アレお前の使い魔だったよな? どんな指示飛ばしたんだ? つかどうやって指示出した?」 「まほー……? まじゅつ? いや、そんなけはいなかった。いしんでんしん? ありえねー。さっきからへんなことばっかしやがって、せつめーしろやめんどくせー」  虎の尾を踏むって、きっと今みたいな状況のたとえだと思う。  俺らが久三男(くみお)作の霊子通信秘匿回線で、意識をつなぎ合っていることもまた、コイツらには内緒なのだ。言うわけにはもいかないし、はてさてどうしたもんか。  俺はチラッと御玲(みれい)に視線を投げるが、まるで他人事と言わんばかりに紅茶を一服。  ふざけんじゃねぇぞ主人が困ってんのに何やってんだこのクソメイドと心の中で悪態をつきつつ、俺は自信の欠片もない説明力でなんとかその場を乗り切ったのだった。  その後、俺が使い魔とテレパシーで対話できる不思議な能力者として、不本意ながらも周知の事実となってしまうのは、また別の話である。  カエルたちが帰還し、代表してカエルが彼我戦力を詳しく説明すると予想通りだが金髪野郎は顔色を変えた。  カエルたち曰くどうやらさらに数を増やしているらしく、各方角にある支部に千体規模の群体に別れ、今も絶賛進軍中とのことだ。行軍速度的にロボット軍団が北支部にカチコミしかけてくるまで、あと二時間もないとのこと。  こうしちゃいられねぇ、と金髪野郎はオフィスを飛び出す。どうやらようやく彼我戦力を理解したようでなによりだが、俺たちにとって本番はここからである。  澄連(すみれん)が持ち帰った情報と照らし合わせながら、秘匿回線でみんなを繋ぎ、精神世界を創り出す。
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