プロローグ:出撃の狼煙

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 生体融合による肉体修復は全快こそしないが、高機能を有する肉体組織の採取に成功すれば、正規メンテナンスには及ばないものの、性能の大幅向上が見込める。  いま現時点で採取した肉体組織はどれも低質なものでしかないが、任務請負機関に属する高位の戦闘能力者から採取すれば、効率の良い生体融合がわずかながら見込めるだろう。 【全能度目標二千二百に設定。必要体組織が不足しています】  任務請負機関に属する全ての知的生命体を相手取り、霊子コンピュータを有する拠点の制圧に必要な全能度にまで回復するのに必要な体組織は膨大だ。全能度一桁、二桁程度の知的生命体では、あまりに非効率的である。 【起動可能な全テスカトリポールを召喚中。命令コードを送信。目標、請負機関支部の制圧及び体組織の採取】  本来ならば自分一人で出向きたかったがやむおえない。下位機種も腐敗が著しく本来の性能には程遠いが、Revision4に指揮権を委託させ、物量戦をしかければ支部程度は壊滅させられるだろう。  各支部最強格には敵わないが、体組織を採取させた後、Revision4に渡すように仕向ければいい。Revision4ならば物質の転移程度簡単にこなせるはず。  Revision3以下は肉壁にしてしまえばよい。どちらにせよ、支部の攻略で大半の機体は破壊される。  重要なのは体組織の採取、命令系統を担うRevision4の保護。そして採取した体組織を確実に送り届けること。  支部に属する知的生命体の体組織があれば、霊子コンピュータの拠点を制圧可能となる。最終目標は霊子コンピュータの制圧だ。
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