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 飲みの席には、大学の文学サークルに所属する、いわば変人が集まっていた。  僕も含め、彼らは変人自慢が大好きで、こうして集まると、みな息をするようにおかしな話をするのだ。  対抗意識や自己顕示欲が悪さをしているのだが、やはり話すからには面白いものがいい。  ここにいる者は、ヘンテコな物語をこよなく愛する文学者もどきなのだ。  では僕はというと、このような違う大学の集まりに参加するほどの変人であった。
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