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不意に温かい指に撫でられ、奈々の体は震え、声すら漏れそうになったのを、奈々は体に力を入れることによって封じた。
奈々の我慢する様子に耐え切れず、友弥は奈々の頬に掛けた手に力を込め、抱き寄せる。
「部長……」
思わず呼び、その顔を見上げるとにやりと微笑む友弥の顔が目に入った。その笑みを意味を悟り焦る。
「あ、ごめんなさ……」
慌てて謝ったのに、友弥は頬を撫でていた手で奈々の後頭部を固定した。
「どんなお仕置きがいい?」
「いえ、あの、お仕置きは、無しがありがたいです」
「駄目だね、俺の気が済まない」
怖いと思いつつなにも考えつかなかった、友弥の右手が優しく頬を撫で続けているせいで思考力を奪われているのだ。
「あの……痛いのは……やです……」
囁くようにいった。
「じゃあ、くすぐるか」
笑いを含んだ声でいって、右手を奈々の腹から脇腹にかけて這わす。
「あの、あ……っ」
漏れた声は濡れていた。くすぐるというより撫でるに近い動きに、奈々の体がピクピクと震えだす。
「やめ……」
思わず口をついた。
「やめていいのか?」
友弥は意地悪に聞く、奈々は溜息を吐いた。
「あの、じゃ……部長の気が済むように……」
言った瞬間唇が重なった。唇を割って入ってくる舌を奈々は受け入れる、濡れた音が響く、奈々の声も混じる、友弥の手がなおも腹や背を撫で、奈々は足をすり合わせた。
いやらしい音を立てて唇が離れる、友弥は奈々と額を突き合わせて上気した顔を覗き込んだ。奈々はもはや瞳をとろけさせ、荒い呼吸で友弥を見上げる。
「感度良すぎだろう」
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