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買い物には俺も同行した。
千夏に買い出しを任せて自分はのんきに風呂になんて、入れるわけがない。
スーパーで食材を選ぶ千夏がいかにも奥さんっぽかったので、「新婚夫婦みたいだな~!」と言うと、ジト目でにらまれてしまった。まあ、それも可愛いんだけど。
千夏がご飯を作ってくれるあいだ、先に風呂に入らせてもらった。
せまいユニットバスでシャワーを浴びていると、いい匂いがただよってきた。
その匂いはもちろん、千夏が台所で調理をしている物音が、なんとも心地良かった。
……家に自分以外の誰かがいるって、いいもんだな。
風呂から上がると、食事の支度がみごとに完了していた。
ねぎ塩豚丼に冷やしトマト、なすと小松菜のみそ汁。
米を炊く手間が惜しくて、最近は麺類やトーストばっかりの食事になっていた。
だから、スタミナがつきそうな献立がとても嬉しい。
ふだん簡素な食事ばかり置いてあるテーブルが、今日はすごく輝いて見えた。
しかも千夏は、料理上手なのだ。多忙なお母さんの代わりに、ずっと家事をしてきたんだから。
色鮮やかな献立がどれも美味しいことは、俺がよく知っている。
こんなの見せられて、食欲が抑えられるわけがない!
よだれが垂れないように気をつけながら、千夏にお礼を言う。
「ありがと~っ!! すっげー嬉しい!」
「……いいから食べるよ」
千夏は照れたようにそっぽを向いていたけど、その口元がほんのり和らいでいた。
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