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「ぎゃっ、すごいブサイク」
「ユイお嬢様が望んだ顔じゃありませんか、って、あ、すみません、なんでもないです」
「? 嘘でしょ、こんなブサイクなの、私」
歪な輪郭にくぼんだ目。ギャグかと思うぐらいに分厚い唇に出っ歯。うわあ。ブッサイク。
髪の毛だけは育ちの良さがわかる艶やかさで、スタイルだって悪くないところが尚に痛々しさに拍車をかけていた。
なんていうか、自分の顔を見ているだけで吐き気がする。記憶もなくて、顔もブサイクで、私、どう生きればいいわけ? 最悪。最悪。最悪。
「はあ」
「ユイお嬢様。元気を出してください」
そもそも、使用人ばかり話しているけれど、両親はどこだ。やっぱり、大豪邸に住んでるだけあって忙しいのかな。
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