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酷い夕立の音に私は目を覚ます。
うるさい。なんなの、もう。
「はあ」
ため息をついて気だるい気持ちで起き上がる私。
「お目覚めですか、ユイお嬢様!」
目の前には知らない人間が山ほどいて。
「誰。っていうか、私がそもそも誰」
「おいたわしや、記憶を無くされて。無理もない」
使用人に見えるおじいさんが、泣きながら言った。
いや本当、誰??
視線を動かせば、いかにも広い部屋。ここは私の家なんだろうけれど、窓から見える物を見るだけでもここが豪邸だとわかる。
ここはどこ私は誰。ふと、ガラスに映る自分の顔を見て悲鳴をあげる。
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