14人が本棚に入れています
本棚に追加
——これはなんだろう?
するとおばあさんはクモに、その細長いキラキラを近づけました。それからシューっという音が聞こえて、クモの目の前は真っ白になります。なにも見えません。ただみみちゃんの笑い声だけが聞こえます。
でもだんだんとその声も聞こえなくなって、クモは永い眠りにつきました。
クモが眠ったあと、みみちゃんがやって来ました。おばあさんはもういません。クモも、もういません。
「クモしゃん?」
みみちゃんはクモを呼びますが、クモはもう出てきません。
「クモしゃん。ね、クモしゃん?」
お母さんはみみちゃんに近づくと、みみちゃんの頭をそっとなでました。みみちゃんは涙目になって、お母さんにこう聞きます。
「ね、おかあしゃん。クモしゃんは?」
「クモさんはね、お空に行ったの」
「お空?」
「うん」
お母さんはやさしい声で言うと、みみちゃんは空を見上げました。
「もう会えないの? クモしゃん、みみのおともだちなのに……」
みみちゃんは泣きながら言うと、お母さんがぎゅーっとみみちゃんを抱きしめました。
「ううん、また会えるよ。クモさん、ちょっとつかれちゃったみたいだから、おやすみしてるの」
「ほんとーに?」
「本当に」
最初のコメントを投稿しよう!