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公園におっさんを連れて行き、心を無理矢理抱かせてから金銭を要求する。
「ふ、ふざけるな。私はやりたくてやったわけじゃない。君たちに無理矢理やらされたんだ」
おっさんは叫ぶように言うと逃げようとした。
「いやん、おじさま。待って。何処行っちゃうの。僕たちのおもちゃと遊んだんだから見返りを払うのは当たり前でしょ」
逃げようとするおっさんの前に藤が立ちそう言うと腹に蹴りを入れた。おっさんはその場にしゃがみ込む。
「良いから持ってる分払えよ。財布貸せ、財布。祐、取れよ」
「わかった」
正時の言うことを聞いて嫌がるおっさんから財布を取り上げる。そして中身から三万円を抜き取って正時に渡す。
「んだよ、これしか持ってねえのかよ。おい心。俺は金持ってそうな奴を引っかけて来いって言ったんだぞ。どういうことだよ」
「ごめんなさい、わからなくて」
正時は心の腹を思いっきり蹴り飛ばす。
「ちょっと正時くん。おもちゃが壊れたらどうすんのさ」
「その時は代わりのおもちゃを探せば良いだろ」
藤は心に駆け寄る。俺はそんな光景をただ見ていた。
「ま、取りあえず暇つぶしになったんだし良いじゃん」
俺はそう言うとろくに入ってない財布の中身を抜き取りおっさんの所に投げ捨てる。
「も、もう良いだろ。私は帰らせて貰う」
「はいはい、おじさま。また遊ぼうね」
おっさんは逃げるように行ってしまった。今日は心を帰らせ、三人で適当にナンパをしてカラオケに行き朝方に解散して家に帰った。
「また朝帰りか。高校生が良いご身分だな」
家に着くと父親がまだ居てそう言ってきたからリビングに置いてある椅子を蹴り飛ばす。
「うっせえな。良いだろ、別に。てめえに関係ねえだろ」
「またそんなこと言って。別にお前の人生だ。好きにすれば良い」
父親はそう言うと仕事に出かけていった。父親とは両親が離婚した時に一度は離れた。だけど母親が亡くなって母親しか身寄りの無かった俺は別れた父親に引き取られ、一緒に暮らしている。
「さっさと行けよ、くそじじい」
俺は吐くようにそう言うと自分の部屋に入りベッドに横になる。携帯を充電しながら眠りにつく。
ー続くー
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