第8話:豚肉とザラタン茸のソテー(2)

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第8話:豚肉とザラタン茸のソテー(2)

 それじゃあ、調理開始していくわね。  まず、豚バラのスライスから。  豚バラのブロック肉を、1cmぐらいの厚さにスライスしていくの。  ザラタン茸は半分に割いてね。  切り終わったら、豚バラに塩コショウとガーリックパウダーを振りかける。  今回のソテーはオリーブオイルで焼くから、最初にガーリックオイルを仕込むわね。  バターでも風味があるんだけど、コース序盤だと、しつこいのよ。  では次に、にんにくをスライスしていきまぁす!  1mmぐらいの厚さよ、火の通りを一定にしたいから均一にね。  よく包丁の腹でにんにくをつぶしたりするけれど、あれだと風味が変わっちゃう。  にんにくは、切る、砕く、磨り下ろすで、風味が変わるわ。  面倒だけど、1枚1枚ていねいに切るのが、香ばしくてお勧めよ。  後の、マンドラゴラやパスタでもガーリックオイルを使うから、先に仕込んでおくわね。    フライパンに、油をたっぷり入れたら、鷹の爪を入れて、弱火で熱します。  火加減は、その時々で変えていくから、この機会にマスターしてね。  鷹の爪が赤黒くなってきたら、さっき切ったガーリックチップを入れるわ。  ポイントは、焦がさないことと、にんにく同士がくっつかないよう、よく混ぜること。  キツネ色になる前に、オイルと一緒に取り出すのよ。  見た目ちょうどよくても、油の予熱で焦げ付いちゃうから、一歩手前で。  取り出したら、弱火のままガーリックオイルの「油」だけをつぎ足します。  にんにくは、仕上げに和えるから、まだ入れないで。  そこに、豚バラを入れていくわ。  表面がカリっとなるように、じっくり丁寧にね。  ある程度火が通ったら、一旦豚肉を取り出す。  火はそのままで、ザラタン茸の投入。  キノコが油を吸ってしんなりしたら、豚肉を一緒に入れる。  火を強火に変え、白ワインを入れフランベね!  フランベは火柱を立て、風味を中に封じ込める調理法よ。  火が収まったら、フライパンから取り出して、具材の油は切っておいてね。  空になったフライパンは、油と焦げ目を軽く拭く。火は中火。  今度はバルサミコ酢と赤ワインを入れていくわ。  大事なポイントなんだけど、ワインなどは一気に入れず、沸騰を続ける温度で足していくのよ。  温度が急激に下がると、味が変わるから、注意して。  次に、はちみつを入れてかき混ぜるわ。  あとはとろみがつくまで、水分を飛ばす。  時折かき混ぜ、とろみがついたら、最大火力にして仕上げよ!  豚肉、キノコ、ガーリックチップを入れて、絡めるの。  火力が弱いと、仕上げが甘くなっちゃうから注意ね。  最後に火を止めて、刻んだフレッシュハーブを和えて出来上がり。  私はコリアンダー(パクチー)が好きだけど、苦手な人がいるからチャービルなんかもおすすめよ。  じゃあ、試食してみるわね。 「うん、火入れが完璧よ!」  ガーリックの風味がよく効いてる!  香ばしい匂いが食欲をそそるわ。  バルサミコとはちみつの甘酸っぱさが、豚バラのしつこさを緩和させてる。  カリっとした豚バラの食感が楽しいし、香草ともよく合うわ!  じっくり火を通したザラタン茸は、噛めば噛むほど香りが広がって、唾液がどんどん出てくるかんじ!  あとの料理があるから、これは豚3切れもあれば十分ね。  序盤と中盤を分けるアクセントには、最高の一品じゃないかしら。    という訳で、次回は意外な高級食材、スライムのラビオリ蒸しをご紹介しますわね。  ではでは、ボンソワレー! ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本文では、細かく解説したけど、とてもシンプルな料理よ。 切って、ソテーして、混ぜるだけ。 西洋料理の基本だから、1パターンできれば応用が利くわ。 ――レシピ(4人分)―― 具材 ・豚バラブロック肉1cm厚(300g) ・ザラタン茸1cm厚(1盛り、なければジロール茸、ブラウンマッシュでも) ・にんにく1mm厚(1片) ・塩少々 ・コショウ少々(ホワイト、ブラックお好みで) ・ガーリックパウダー少々 ・鷹の爪1本 ・オリーブオイル適量 ソース ・バルサミコ適量 ・赤ワイン適量 ・はちみつ適量 その他 ・フレッシュハーブ適量(コリアンダー、チャービルなど) ――作り方―― ・材料を全て切る。 ・それぞれの火加減でにんにく、豚肉、キノコに火を通す。 ・ソースの材料を煮込む。 ・上記材料を強火で炒める。 ・ハーブを和えて出来上がり。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ――クロス作品―― 『ISEKAKU ~異世界格闘技に人類最強が参戦したら、どうなるのか?~』 連載中!!
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