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その質問の答えは分からない。というよりも答えられない、の方が正しいかもしれない。だってその口は“俺”が塞いでるから。
律動を速めれば速めるほど、くぐもった声が響く。俺のズボンをぎゅうっと握り締めるその手は、もうやめてと懇願しているのか、それとももっとしてと強請っているのか。答えなんて、どっちであろうとどうでもいい。
「出すよ」
言うが早いか女の頭をがしりと掴み、脚の間に押し付けた。ぶるりと身体を震わせ、自分の中から欲に濡れたものがどくどくと脈打ちながら飛び出す感覚に酔い痴れる。まるでなんにも書かれていないキャンパスが目前に広がったかのように頭が真っ白になる。
この一瞬が、堪らなく、好きだ。
女の口の中から欲を放ち切った自身を抜き出す。ゲホゲホと噎せ返るその白い首を無遠慮に掴んでは極限まで上に向くように誘導した。
「全部飲んで」
単調な声でそう告げれば、まだ少し噎せながらも忠実に喉が上下する感覚を手の平に受けた。口の端に零れた白濁のそれすらも親指で拭い口内に押し込めば、手入れなんて微塵もされていなさそうなカサついた唇が罅割れ、そこに薄っすらと滲む鮮血を見た。
「みっともないね」
それを指の腹でなぞりながら、小馬鹿にしたような笑みと共にそんな言葉を落とした。
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