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「私たちってほんと似てるよね」
「うん。本当に。似すぎてびっくりしちゃう」
ふふ、と顔を見合わせて笑い合う。
明音、明音、明音。
私の一番の、友達。
――ッガタン
突然響いた物音。
微かに肩を揺らしながらもゆっくりと振り返れば、そこには無残にも散らばる衣類と、茫然と立ち尽くすお母さんが居た。
お母さんはもともと大きな目をこれでもかというほどに見開いたまま、まるで全身の力が抜けたようにその場にへたり込んだ。
「お母さん、どうしたの?」
こてん、と首を傾げる私にお母さんはわなわなと震える手で口元を押さえる。
「ま、舞子……」
「うん?」
「あなた、どうして…」
どうして?
そんなの私の方が聞きたいよ、お母さん。
どうしてそんなに怯えた表情をしているの?
ねえ、どうして…
「どうして…鏡に向かって喋ってるの…?」
どうしてそんな化け物を見るみたいな目で私を見るの?
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