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『舞子も塗ってみる?』
『んなの気にしないって』
『何ぼうっとしてんの。次体育だよ』
『遅かったじゃん。大丈夫?』
どうして今、華凛の顔と言葉ばかりが頭に浮かぶんだろう。
ちがう、聞かれているのは“明音”のことだ。
華凛じゃない。
華凛じゃない、のに。
『…3人?舞子のは?』
私は、
私は、
「…く……」
私は、“華凛”と……。
「…クレープ…を、食べに…行きた、くて」
「……」
「…キー、ホルダ…っ」
その先は、声にならなかった。
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