Network.14 青き双子と巨大烏賊

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蒼が何者かと会った翌日の夜、自宅のインターホンが鳴った。 「優、開けてあげて。横須賀だから。」 「分かった!」 優は返事をすると鍵を開け、扉を開けた。 「こんばんは、横須賀さん。」 「久しぶり、優ちゃん。」 横須賀と呼ばれた人物は公安特殊捜査隊第1係所属、横須賀線担当の横須賀航海(よこすか こうかい)。昨夜蒼が会った人物である。 「中へどうぞ。」 「ありがとう。」 航海はお礼を言うと中へ入った。ダイニングルームへ入ると蒼が夕飯の準備をしていた。 「神楽、さっきのメッセージは何だ?『腹ペコで来て』って。」 「そのままの意味だよ。話が長くなりそうだから夕飯を食べながら報告してもらおうと思って。」 「それなら何か持ってきたのに。」 「データとはいえ、ページ数の多い報告書なんだろ?ならそれだけ持ってくればいい。1人前増えたってこっちは問題ないんだから。」 「流石、神楽……。昔から変わらないな。」 「俺は誰かに美味しいご飯を食べさせたいだけよ。」 蒼が笑顔で言うと航海は頷いた。 夕飯の時間になり全員が集まると賑やかな夕食が始まった。 「イカフライだ!」 一輝と伊吹が同時に言うと航海が反応した。 「神楽……どうして……。」 「説明しやすいから?」 蒼は笑顔の状態でわざと首を傾げた。 「あとは分かる人には分かるようにした。」 「なるほど。」 航海は納得するとイカフライを食べた。 「柔らかい。」 「奈央が築地で買ったからね。」 「なるほど。」 「たくさん食べていいからねー!」 蒼が全員に言うと月歌が蒼のことをジッと見つめた。 「ちちうえ…イカって……」 「アレみたいでしょ?実は現世に現れたみたいなんだ。」 「うそでしょ!?」 月歌が驚くと蒼は頷いた。 「蒼、どういうことなの?」 「それは横須賀が今から説明する。」 「分かった。」 憐が頷くと先に食べ終えた航海はタブレット端末を出した。 「まず、俺は海洋神ネプトゥヌスでもある。」 「!?!?!?」 全員が驚くと航海は頷いた。 「神楽と同じ海の神だ。俺はユピテル様が最高神のディー・コンセンテスという12神だ。」 「ディー・コンセンテスとは俺らと同じオリュンポス神ではあるんだけど、活躍していた場所が違うため名前が違うんだ。能力的には基本変わりはないよ。」 「唯一違うのは、ゼウス様と同等の力を持つユピテル様が、俺らと同じ力しか出せないことだ。」 「ユピテルさんがまだ本気を出てないだけでしょ?それかゼウス様が力を封じているか。」 「どっちなんだろうなー。あの人のことだから、封じて欲しいと頼んだのかもしれないし。」 「確かに。」 蒼が納得すると航海は「話が逸れてしまった」と言った。
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