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翌日、状況確認ということで小羽、伊吹、優、一輝の4人が横浜駅へ向かっていた。
「イブ、今日も遅れていたよね、あの路線。」
「そうだね……。着いたら2人の喧嘩している声が聞こえそう……。」
「あれ見ている方も恥ずかしいんだよね……。なんであれが許されるの?」
「うーん。もう何やっても無駄だって上も諦めているのかも。それか恒例行事となったか。」
「恒例行事!?!?」
一輝は驚くと小羽を見た。
「私達は喧嘩はあまりしないからね。」
「うん。でも僕らの場合、喧嘩になると模擬戦になるじゃん。」
「大手町本部の恒例行事だからねー!喧嘩する元気があるなら模擬戦で実力を付けるべし!って。」
「確かに。よく憐姉が言ってるね……。それにしても怒った時のちぃ姉は攻撃も怖いからなぁ……。避けないとダメージがいつもの倍になる。」
「そうね!一輝が私のことを怒らせなければいいだけの話だけど!」
小羽が笑うと一輝は苦笑いだった。列車が横浜駅に着き、4人が地下鉄の改札口へ向かっていると改札口の近くで言い争いをしている声が聞こえた。
「だーかーらー!!なんで俺の言うことを聞かないわけ!?!?」
「聞いてるだろーが!!海人だってオレの話聞かないくせに!!」
「だとしても『今日こそは車両の声を聞くから大丈夫!任せておいて!』と言って大失敗したのはどこの誰ですかー?」
「うるせーな!!お前は自身の担当区間が毎週のようにトラブルを起こすのをなんとかしろよ!!」
「それはたまたま俺の区間なだけだろ!?!?週によっては桜海のところで止まることだってあるだろが!!!!」
「だーけーど、一昨日海人の言うこと聞いたら大失敗しただろうが!!」
「あれはたまたま運とかタイミングが悪かっただけだ!!」
「そんなの理由になるわけないだろうが!!!!バカ海人!!!!」
「業務中にバカって言うなよ!!バカ桜海!!!!」
「はぁ!?!?バカって言う方がバカなんだよ、バーカ!!!!」
「そっくりそのままお返ししてやるよ!!!!」
大声で言い争っている2人を見て小羽達4人は同時にため息を吐いた。
「また喧嘩しているね……。」
「うん。しかもこの距離からハッキリと聞こえる……。」
「まだ100mぐらい距離があるんだけどな……。」
優が言うと小羽は頷いた。
「伊吹、どうする?」
「どうしようようかな……。」
小羽に聞かれ伊吹が悩んでいると4人のスマホに奈央から電話が入った。伊吹が代表して出るとテレビ電話になった。
『よかった、全員居るんだね。』
「うん。だけど双子にはまだ接触してないよ。100m先から喧嘩の様子を見ている。」
伊吹が答えると奈央が少し困った表情をした。
「どうしたの?」
『桜木町駅付近でクラーケンの魔力反応があったの。』
「っ!!!!」
『4人だけでもいいから大至急確認して。』
「分かった。」
4人が同時に返事をすると一輝が「あっ」と声を出した。
「どうしたの、一輝!?」
「ちぃ姉、あの双子が消えた。」
一輝が改札口の方を指を差すと確かに双子の姿はどこにもなかった。
「一輝、あの双子を追いかけるよ。」
「分かった!」
小羽と一輝が改札口へ向かうと優は伊吹を見た。
「ねぇ、伊吹……」
「うん。気付いていたよ、優。」
「じゃあ持ってきたの?」
「3人に『持っていけ!』と言われたからね。」
伊吹はカバンの中を一瞬見せると優は頷いた。
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