Network.14 青き双子と巨大烏賊

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「有楽町ー!!周りが見えない!!」 「クラーケンが墨を吐いたのね……。」 「そっか、クラーケンはイカなのか。南北ー!!」 一輝が優の名前を呼ぶと優は「分かってる」と返事をした。 「メトロフォルス解放。」 優は力を解放させると目を閉じた。 「風よ、我らを覆いし闇を祓え!!!!」 目を開き両手を広げると強風が吹き周りを覆っていた墨が消えた。 (優!?なんでそんな技が使えるの……。) 伊吹がそう思っていると優の足元に現れていた魔法陣が消えた。 (っ!!!!無意識のうちに第二覚醒の力を使った!?) 伊吹が驚いていると優も驚いている様子だった。 「何……さっきの技……。勝手に蒼と同じような力を使ったような気がする……。」 優は不安そうな声で言うと顔を上げた。 「っ!!!!半蔵門、双子が捕らわれている!!!!」 「ヤバい!!!!早くしないと何をされるか分からない!!!!」 伊吹が言うと周りに他の触手が現れた。 「囲まれた……。」 「どうする、半蔵門!?」 「これ以上、南北が戦うとオレが後で東西に怒られる。どうしよう……。」 伊吹が困っていると小羽と目が合った。 「……半蔵門、私知ってるの。自分の中に偉大なる天使の力が眠っていることを。」 「っ!!!!」 「この状況をなんとかするには私と副都心のもう1つの力を解放させるしかない。」 小羽はそう言うと目を閉じて自分の胸に手を当てた。 「私の中に眠っている偉大なる天使よ。この状況を打開するには貴女の力が必要です。だから貴女の力を貸してください。」 小羽が言い終えると小羽の左手を誰かが握っていた。目を開くとそれは一輝だった。 「僕も同じ。あの双子を助けたい。」 一輝が笑うと伊吹は頷いた。 「分かった。2人共、これを受け取って。」 伊吹が渡したのは小瓶に入った記憶の水だった。 「副都心……。」 「大丈夫だよ、有楽町。」 一輝が言うと小羽は頷いた。そして2人が同時に飲むと2人の足元に魔法陣が展開され、光が柱のように2人を包んだ。 「半蔵門、なんかいつもと違うような……。」 「正解!よく分かったね、南北!あの記憶の水は遅延性のあるタイプなんだ!日比谷がさっきメールで教えてくれた。」 伊吹が優にメール画面を見せながら言うと魔法陣と光が消えた。 「メタトロン、引き継ぎの儀式は後だよ!!!!今はコイツを倒す!!!!サンダルフォン!!!!」 「準備オッケーだよ、姉さん。いつでも行ける。」 「分かった。」 小羽が頷くと一輝は土の入った小瓶を出すと魔法陣を展開させた。そして魔法陣の中央に小瓶の中の土を全て出した。 「聖なる土よ、巨人の姿となり我の目の前に現れろ!!ゴーレム召喚!!」 一輝が呪文を唱えると魔法陣からゴーレムが現れた。 「ゴーレム、久しぶり!!」 一輝が手を振るとゴーレムは頷いた。 「早速だけどこの邪魔な触手を掴んで本体を引っ張り出して。」 一輝が言うとゴーレムは頷き、触手を掴むと一気に引っ張り出した。すると巨大なイカが現れた。 「推定7mのリトルクラーケン……。本当に現世に現れたんだ。姉さん!!!!」 「うん。チャージ完了だよ!!!!」 小羽は巨大な魔法陣の上に立ち、雷鳴聖神剣には光が集まっていた。 「雷よ、一筋の光となり天罰を下せ!!」 小羽が剣を縦に振り下ろすとリトルクラーケンは爆発した。
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