Network.14 青き双子と巨大烏賊

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「双子も解放されているね。」 「やったね、姉さん!」 2人がハイタッチをすると一輝はゴーレムを見た。 「ゴーレム!助けてくれてありがとう!」 一輝がお礼を言うとゴーレムは頷いた。一輝は手を振りながら小瓶の蓋を開くとゴーレムは小瓶の中へ吸い込まれていった。全てが吸い込まれることを確認すると小瓶の蓋を閉めた。 「ザフィエルー。」 「なに?」 「後はよろしくー。」 小羽が欠伸をしながら言うと一輝も大きな欠伸をして2人は地面に座ると目を閉じた。 「本当だ。今になって効果が効いてきた。」 「日比谷がこれを渡した時、「千代田にお願いされて、急いで作ったから成功するか分からない」って言われたんだけどね……。」 「それを成功させちゃったんだね、日比谷は。」 「本当、凄いよねー。記憶の水の調合はザドキエルの得意分野だから成功させちゃうんだよ。」 「流石、ザドキエル。」 「だね。南北ー、あの双子のところへ行ってくれない?」 「分かった!」 伊吹に言われ優が向かっていると爆発した跡から1本の触手が現れ、優のところへ向かって来た。 「南北、避けて!!」 と伊吹が叫ぶと伊吹の横を誰かが通った。 「ブリザードブレイク、戸塚JO10!!!!」 男性の声と共に青い光刃が通ると爆発したはずのリトルクラーケンが凍りついていた。そして指を鳴らすと凍りついたリトルクラーケンは粉々になって消滅した。 「ギリギリセーフだったか。」 そう言うと男性は安堵のため息を吐いた。 「横須賀さん!!」 「おぉー、半蔵門。なんとか間に合わせたぜ?」 「ありがとうございます。」 「いいえ。早く向かわないと俺が怒られるからな。」 航海はそう言うと優を見た。 「大丈夫か、南北。」 「はい。ありがとうございます。」 優がお礼を言うと優のメトロネットが鳴った。 『大丈夫、ノトス!?』 「蒼!?」 画面に映っていたのは蒼だった。優は驚きながらも小さく頷いた。 「大丈夫だよ。……でもどうして。」 『ノトスの第二覚醒らしき兆候を感じ取ったから。』 「っ!!!!」 『リトルクラーケンの狙いが最初からノトスの魔力だったとしたら危険だからね。』 「ありがとう。」 『俺もすぐに向かうから。』 「分かった。」 『ノトス、伊吹に変わって。』 蒼が言うと優は頷くと伊吹のところへ向かった。 『半蔵門、ノトスのこと守ってくれてありがとう。』 「いえいえ。」 『それで双子くんはどうだったのかな?』 「最悪すぎ。憐に伝えておいて。『あの双子を現場に立たせるのは危険すぎる』って。」 『分かった。小羽と一輝は?』 「眠っている。」 『時差で効いたんだね。』 「うん。だから心配しないで。」 『分かった。じゃあ、またあとで。』 蒼が言うと通信は切れた。航海は一通り話を聞くとため息を吐いた。 「はぁ……。やっぱりダメだったか。」 「はい。蒼にも伝えましたが、これ以上現場に立たせるのは危険です。」 「なるほど。はぁー、一体どうしたら元の双子に戻るんだか……。」 「以前はこんなことありませんでしたよね。」 「あぁ。去年の秋以降からだ。あの双子が喧嘩しているのは。」 「っ!?!?」 伊吹が驚くと航海は「もしかしたら関係しているかもしれないぞ。」と答えた。 「それより半蔵門、この双子はどうするんだ?」 「う~ん……。とりあえず縛っておきます。」
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