Network.14 青き双子と巨大烏賊

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「うぅ……ここはどこだ……」 左分けの青年、ブルーライン3号線担当の花咲桜海(はなさき おうみ)が周りを見ると右分けの青年、ブルーライン1号線担当の花咲海人(はなさき かいと)が隣に居た。 「海人!!!!ここはどこだ!?!?」 「公特横浜支部。そして何故か縛られている。」 「はぁ!?」 桜海は驚くと自分の体を見た。よく見るとただの紐ではなく紫の光でできた紐だった。 「チッ、路線能力者か。」 「桜海……その色の意味は何か分かる?」 「紫色……。ゲッ、まさか……。」 桜海がその意味に気付いた瞬間、部屋のドアが静かに開いた。 「目が覚めたようだね、海人、桜海。」 「清澄さん……」 「とりあえず大きな怪我がなくてよかったよ。」 伊吹は安堵のため息を吐くと近くにあった椅子に座った。 「あの……清澄さん、なんで僕と桜海は縛られているのですか?」 「目が覚めた時に喧嘩しないようにかな。」 そう伊吹が答えるといきなり部屋のドアが開いた。 「お前ら、いい加減にしろ!!!!」 「っ!!!!」 航海の声に双子が驚くと伊吹は「横須賀さん、落ち着いて」と声をかけた。 「落ち着けるか!!現場で喧嘩するなんて言語道断だ!!現場を甘く見過ぎている!!」 「確かに。それは同意します。」 伊吹が言うと航海は海人と桜海を見た。 「一歩間違えば死に繋がるんだぞ。」 「………」 双子が何も言わずに頷くと部屋に蒼が入ってきた。 「優、大丈夫!?」 「大丈夫だよ、蒼。伊吹や小羽姉からも平気って言われたから。」 「良かった〜。」 蒼は安心すると笑顔を見せた。 「それより仕事はどうしたの?」 「午後は半休取っているから大丈夫だよ。」 「そうだったんだ。」 優が納得すると蒼の隣にいた小羽と一輝が海人と桜海の前へ近付いた。 「2人の戦いは見ていて本当に危なかった。」 「何も考えずに巨大な敵に突っ込むのは危ないね。」 「うん。喧嘩よりもそっちの方が心配だった。」 小羽が言うと一輝も頷いた。 「次の現場に立たせるのは反対します。」 小羽と一輝が同時に言うと蒼は頷いた。 「確かに。俺も2人の意見に賛成するよ。映像を見ていても危ないと思うところが多かった。」 蒼が言うと航海は「そうだよな」と納得していた。 「今回の敵はそんなにも危険な存在なのですか?」 海人が聞くと航海は頷いた。 「なんでだよ!!!!ダイオウイカみたいな大きさだっただろ?」 「あれは幼体だ。」 「はぁ!?あの大きさで子供なのかよ!!!!」 桜海が驚くと航海は頷いた。 「詳しくは実が戻ってきてから言う。」 「分かった。」 桜海は珍しく指示に従うと頷いた。
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