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光の壁が私を中心に円を描くように広がり纏わりついた手を跳ねのけた。私はこんなところで死ねないと決意を胸にこの白魔術聖なる障壁を唱えた。悪しき魂はこの領域から弾かれるのだ。私を取り巻いていた手は弾かれても尚纏わりつこうと手を伸ばしてくる。本当にしつこいことこの上ない。これ以上相手はしていられない。
早く元凶を止めなければ取返しがつかない事になる。時間の経過と共にこの空間に迷い込んだ者が犠牲になっていくのだから。私は急いで扉を開け出ようとした時灰になった女の頭部が飛びかかってきた。私は目を見開いて驚いたが間一髪炎魔法を唱えた。女の顔は既に原型は留めておらず、口は裂け、眼球はあるべき場所から溢れ出し、何とか神経が繋がり垂れ下がっている状態だった。
そんなおどろおどろしい頭部は炎に包まれ炎上し、床に落下した。私は急いで扉の向こう側へ行き、扉を閉めた。冷や汗を拭い目的の部屋へ向け駆けるのだった。
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