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白魔道『真実の道』を唱えた。白い光が暗い校舎に道標を浮かびあがらせた。その光は校舎ないをふわふわと漂い私の思いに応える。
何もない壁……そこをスッとすり抜け、奥へと入っていった。手でその場所を触れると暖簾をくぐるように中に入っていけた。
こんなところに隠し通路があったのは驚いた。私が通り抜けた途端、地形が変動し、床に亀裂が入り先程の空間がガラスのように粉々に砕け散った。
黒魔女の魔術だろうか。二階の空間は造られた造形品でそれが私によって破られたことにより均衡が保てなくなり消失したのだろうか。
3階に続く階段。見上げると上から赤い光が漏れていた。そして、静寂な校舎に懇願の声が鳴り響いた。
タスケテ……タスケテ……
いよいよ終焉は近い。黒魔女の呪いに囚われた悲しき魂の解放に向け私は階段を駆けあがった。
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