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4. 終焉
階段を駆けあがると一気に空気が変わった。窓から赤い光が差し込んで廊下を照らしていた。冷たい風が背中に入り込み芯から冷えていくのを肌で感じた。そんな空気もカラッとした寒さではなくジトっと纏わりつくような嫌な感覚だった。一番端の教室からただならぬ光と気配が溢れ出していた。
あの部屋が目的地で間違いないと確信を持てた。鼻がもげそうな死臭が辺りに充満していた。赤い光が廊下に反射し、赤黒い無数の手形のような跡を浮彫にした。その跡は廊下や壁と至るところにべっとりと染みついているようだった。その染みの1つが突如、脈を打ったかのように蠢き出した。
壁が隆起し、形が泡のようにボコボコと形作られていく。その姿はまるで人形のように見えた。一部はガラスの目だがもう片側は歴とした人間の瞳だった。そして、赤い頭巾を被りその間から金色と赤が混じった髪が綺麗に整っていた。手には錆びか血がこびり付き色が濁ったハサミを手にしていた。
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