4. 終焉

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 私は廊下を駆け、赤い部屋に急いだ。背後から迫る薄ら笑いが徐々に大きくなっていく。危機迫る思いで必死に駆ける。後、数メートルというところで下の染みから再び呪いのハサミが飛び出した。  私は何とか立ち止まり清めた聖水を振りまいた。それが人形の顔に直撃し、断末魔の叫びが廊下に木霊した。肉が焼けるような焦げ臭い臭いが充満した。 行くなら今しかないと側を通り抜け赤い光を帯びた教室の扉を開いた。  すると赤い閃光が煌めき私を飲み込んで行った。目を開けていられないほど強い光が目の前を包み込み視界が奪われた。  次に気が付いたとき、私は教室の中にいた。だが、机や椅子はない。あるのは中央の台座に鎮座している人形。先ほど見たのと同じ容姿。間違いないこれが媒体だろう。  人形のガラスの目から滴る涙のような赤黒い液体それを見た時、感情が流れ込んできた。
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