4. 終焉

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「タスケテ……タスケテ……もうオワラセテ……」  すすり泣くような悲しい声、黒魔女はこの人形に自分の心臓を埋め込み人間に近づけたはず。つまり私が先ほど対峙した人形は複製品、こちらが本体なのだろう。だから、この部屋に近づけまいと私に襲い掛かってきたのだ。  もうこの校舎で犠牲者を出すわけにはいかない。この悪夢はここで断ち切る。  私は十字架を取り出し、人形の胸元に突き刺そうとした時、突如人形の背後から黒い長い腕が伸びて私の首を絞めた。突然の事に反応が出来なかった。息が出来ない。手の力は半端なくグリグリと私の首を絞めていく。  目の前に現れた大きな女の顔。鬼の形相を浮かべ血に塗れていた。  このままでは殺されてしまう。私は必死に暴れ、持てる力を振り絞った。持っている十字架を魔女の左腕に思いっきり突き刺した。
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