ルナとリナ

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 近くのスーパーへ買い出しに向かうと、偶然にも同僚のナツホさんに出会いました。 「お、イズミじゃん。お疲れー」 「お疲れ様です」 「相変わらずお堅いなー。いいのに敬語なんか使わなくて」 「ふふふ、職業病ですよ」  ナツホさんはむしろ家政婦のお仕事をしている割に乱暴過ぎる言葉遣いをする方なので、ちょっと心配です。本人が言うには「仕事とプライベートは分けてる」ようですけど……。 「ナツホさんこそ、ずっと苗字でしか呼んでくれないじゃないですか」 「イズミはイズミって感じしかしないんだもんよ、だって」 「どういうことなんですか、それ」 「さぁ? 分からん」  二人で顔を見合わせて笑います。ちぐはぐかもしれませんが、彼女と仲が良いのは確かです。 「にしても、職業病ねぇ。仕事熱心なのもいいけどさぁ、あんまり気ぃ張ってると疲れるだろ?」 「ご心配ありがとうございます。でも大丈夫です」 「そうやってひとりで抱え込むところがまた心配なんだけどなぁ」  笑いながらそう言うナツホさんには感謝が絶えません。 「まあ、しばらく会ってなかったし、今度飲みに行こうぜ、二人で」 「ええ」 「よっしゃ、んじゃまた連絡するわー」  手を振ってお別れします。さて、あとは何が必要なんでしたっけ。
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