ルナとリナ

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 お夕飯の準備はルナちゃんも手伝ってくれました。私がタネの空気を抜き、ルナちゃんにそれを渡して形を作ってもらいます。作ったタネを並べたルナちゃんが、 「こっちがルナのでー」  と真ん丸のものを指して、それから、 「こっちがリナおねえちゃんの!」  と星の形にしたものを指すので、そうしてあげることにしました。少し小さめにしたので、これくらいなら残さず食べられるでしょう。  ハンバーグは焼き加減が難しく、そして子どものお腹はデリケートなので、今回は生焼けにならないよう念のため煮込みハンバーグにします。ソースを入れたフライパンの中で数分煮込めば、 「完成でーす」 「できたー!」  買い出しの時についでに購入した旗もつけて、お子様ランチ風に。ルナちゃんは大喜びで急いでリビングに向かい、椅子に座って待っています。私はその目の前に、どーんとお皿を置いてあげました。 「リナおねえちゃん、すごいね!」 「そうだね、おいしそう」  リナちゃんにも喜んでもらえているようです。 「いただきます!」 「いただきます」 「はい、召し上がれ」  子どもが美味しそうにご飯を食べる姿は、何回見ても良いものです。 「ルナ、ブロッコリーいらなーい」  ルナちゃんがそう言って、リナちゃんのお皿にブロッコリーを乗せました。 「好き嫌いはダメだよ、ルナ」 「えー」  どうするのかなとしばらく様子を見ていると、 「はぁ、仕方ないなぁ」 「ありがとー!」  リナちゃんは妹思いの優しい子のようです。でも、次にブロッコリーを出す時は、少し工夫が必要かもしれません。
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