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「お礼なら隣にいる五十嵐君に言ってあげてください。私に連絡してきてすぐにIT部門にかけあったのは彼だから」
「それは、フィアンセを守るためですので」
俺はそう言った。
「あはは。そうか。それで、予定を早めて寿退社と言う事だね。おめでとう」
最初にここに来た時に俺はそれを一番に伝えた。大切な人だから傷つけたくないことも伝えた。
「あ、ありがとうございます」
青山は驚きながらお礼を言っていた。
「来てもらったのは、これから会社を担う五十嵐君の奥さんには一度会っておこうと思いましてね。まぁ、今回の犯人は見つけ次第連絡しますよ」
「いいえ、大丈夫です」
「知りたくもないか。分かりました。まぁ、こういう嫌がらせをする人は今後もする可能性があるから分かり次第それ相応の判断が会社から下るでしょう」
それからは、式はいつなのか、入籍はいつなのかと言う話をされたが俺は上手く質問を交わした。
役員との顔合わせが終り、俺は青山を部署に連れて行った。短い期間ではあったが、ちゃんと二人でいる時に皆に伝えるべきだと思ったからだ。
さっき頼んでおいたので、部署に戻ると皆は普段通り仕事をしていた。
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