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こんなメンバーで唯一役職なしの万年部署異動社員、私青山初が事務として配属された。他部署から隔離されたこの部署は異様な雰囲気を醸し出している。
この部署を期待の部署と思うのか、厄介払いの部署と思うのかは皆さんのご判断にお任せしよう。
私は、静かでなれ合いもなく、勝ち組オーラをひけらかす人がおらず、定時退社、自由に有給休暇を取得できるこの部署は天国だと思っている。そして何より横を向けば部長の美しいお顔を拝めるこの特等席は何物にも代えがたい。
にやけた顔でいると背伸びをし始めた佐藤さんと目が合った。
「え? コワっ。今誰か呪ったでしょう」
呪っていませんけど……。
「あ~もしかして俺がかっこよすぎて妻を呪っちゃった? 駄目だよそんなの。いつでも妻に内緒で青山さんに最高の夜の営みを教えてあげるから呪うのはやめてね」
堂々とセクハラ発言をする佐藤さんだが、皆相手にせず各々の仕事をこなしている。
「佐藤、減給されたいのか?」
五十嵐部長を除いて。
はぁ、心までお美しいなんて……
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