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ああ、最悪だ。だから三次元は嫌いだ。二次元なら触れられない寂しさはあるが、嫌な人に触れられることもない。
イライラしながらトイレを出ると部長が話しかけてきた。
「大丈夫か。帰るならタクシー代出すから帰っていいぞ。佐藤は俺が面倒みる」
あぁかっこいい~。凄くイケメンだ。こんな間近で見たことない。
美しい目、美しい鼻、美しい頬、そして、美しい唇。
癒される~。
「俺の事、そうやってよく見てるよな」
「え?」
バレてた。本人にバレていた! 恥ずかしい、恥ずかしすぎる。どうしよう。
「青山は佐藤を好きなのか、それとも俺を好きなのか?」
何故2択。
2.5次元の部長が好きですって言いたいけど、そんなの言えるはずもない。
小さい頃はそれなりに恋への憧れを持っていた。でも中学校で分かった。この世には恋人ができる人とできない人がいるってことを。恋される人と恋されない人がいることを。それは可愛いとか可愛くないとかじゃない。
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