夢から覚めたはずなのに

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「……はぁ……あの時のドキドキとワクワク、今でもはっきり覚えてるわ……」 「新しいときめきが、ズタボロだったあたし達を救ってくれたんだったわよねぇ」 しとしと降る雨を見ながら、ミカとカオリは切なそうに呟いた。 「ねぇ、私たちってさ、樹くんにも会いたいけど樹くんのカクテルが飲みたいってのもあるんだよね」 「分かるぅ~!樹くんの作ってくれるカクテル……ああん、もう禁断症状!」 ここまで来ると、砂漠で水を探してさまよう旅人のようだ。 結婚してしまった樹にさらっとあしらわれる覚悟で、二人は店に行くことに決めた。 歩き慣れた道なのに、一歩一歩進むことにこんなに覚悟がいるなんて。 そのうちに目の前に現れた星の看板と重い扉。 今までに無いほどとても敷居が高く思えてしまう。 躊躇しているところに、突然扉が開いて中から人が出てきた。
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