夢から覚めたはずなのに

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二人の目の前に出されたカクテルは、グリーンと濃いピンク色。 「これって……?」 「アラウンド・ザ・ワールドとピンク・レディです」 ミカとカオリが不思議そうな表情で目をぱちくりしている。 「……初めてここに来た日のカクテルと同じじゃない?」 「樹くん、覚えててくれたの?」 目をうるうるさせながら、二人は樹の顔を見た。 「もちろんですよ。お二人も初対面の時の僕のこと、覚えててくれましたよね」 はにかんだ笑顔を向ける樹にミカとカオリはまたもや胸をキュンとさせられ、ぐいっとグラスを傾けた。 「美味しいぃぃぃ!」 「うん、うん!!樹くんのカクテル……やっぱり大好き~!!」 言いながら二人は同時に口を開いた。 「樹くん、結婚おめでとう~!!」 「ありがとうございます!」 直接お祝いの言葉が言えたと言って、ミカとカオリは残りのカクテルを少しずつ飲んだ。 お祝いの言葉さえももう言えないのかと思っていたとのことだった。
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