夢から覚めたはずなのに

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『あのぉ~、すみません~』 『いらっしゃいませ』 ドキドキしながら中に入ると、迎えてくれたのは若くてイケメンのバーテンダーだった。 すらりと背が高く、クールな目元に優しい微笑み。 無造作ヘアーが似合っていた。 『……えっ!』 『はっ!!』 一瞬にして釘付けになり言葉にならない声を発していると、彼は柔らかい笑顔でカウンター席へと案内してくれた。 『どうぞ、こちらへ』 黒いベストと蝶ネクタイ。 キリリと引き締まって見えるその姿に口をパクパクさせていると、彼はにっこり笑って話しかけてきた。 『当店へは初めてでいらっしゃいますよね?本日はいかがいたしましょうか?』 『あ……あのっ!お兄さんのオススメを!お願いします!!』 ミカが興奮とともに叫んだ。 もちろん胸は弾け飛びそうにボインと揺れた。 『わ、私もそうしますっ!』 カオリも負けじと同じく叫んだ。 『かしこまりました。お客様、どうぞ寛いでお待ちくださいね』
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