夢から覚めたはずなのに

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あまりにも勢いづいていたためだろう。 バーテンダーがにっこり笑いながら言ったその言葉に、ミカとカオリは決まり悪くなって顔を見合わせた。 シェイカーにカクテルの元になる酒が次々と入れられ、リズミカルにシャカシャカ音を立てて振られている。 その姿に、ミカとカオリはただただ見とれるばかりであった。 イケメンが、ますますイケメンに見える。 『はい、できましたよ』 グラスに注ぎ込まれ、ミカの目の前に出されたのは透明なグリーンのカクテル。 『「アラウンド・ザ・ワールド」と言います。ミントとパインジュースですっきりした味わいですよ』 きらきらと光を放っているかのように、カクテルはグラスの中で存在感を表していた。 「や~ん!めっちゃ素敵~!!」 ミカが感激していると、彼は再びシェイカーを振り始めた。 次は何が出されるのか目を輝かせて待っていると、カオリの前にはやや濃いピンク色の液体が美しくすっと淑女のように現れた。 『「ピンク・レディ」です。辛みと甘みを楽しんでいただけたら幸いです』 『ええーっ?何これ可愛いぃ~!』 二人は大興奮でお互いのカクテルを見せ合いっこしていた。
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