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「えええ〜どうしたのっ? どこまで行くんだよ?」
「あの虹までだー! 全速力っ!」
「はははっ、小日向さん頑張れ! 全速力!」
虹に向かって走れ。
だっさ!
でも並んでまっすぐな道を走っていると、だんだんハイな気分になって、二人声を出して笑いながら走った。通行人が振り返る。楽しい。しんどいけれど、なんか楽しい!
雨で冷えた風が、私たちを前へ前へと進ませてくれる。
私がくたびれるのと、空知くんがやめるのと、虹が消えるのと、どっちが早いか。
そのどれかまで、私たちは走り続けた。
おわり
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